こどもの絵の世界
1「スクリブル」
だいたい1歳半くらいからの幼児期。 誰でも初期に描くのは、 「ぐちゃぐちゃ」「めちゃくちゃ」「なぐりがき」。 これを英語でスクリブル=Scribbleと言います。
これは、1歳11ヶ月の子どもの作品。
スクリブルと点で描かれています。
[作品紹介→art115]
まだ、手の動きと脳がしっかりリンクしていない時期、 まだ筆記具と紙との認識がしっかり無い時期、 どう動けばどう描けるのか… 何度も何度もためしては、発見している状態なのでしょう。 最初は意味の無い運動だと言われます。 でもちょっとすると、何かを表現したくてスクリブルしている場合がふえてきます。
1歳10ヶ月の作品。 初めて持たせたブロック型クレヨンで 「プール、プール…パパ…」 と言いながら描いたものです。 筆圧も弱く、一見単なるスクリブルではあるけれど、本人的には パパとプールへ遊びに行った時の絵、を描いてるのです。
2歳3ヶ月「花火」です。
チンパンジーはスクリブルがぐるぐる状態になる 円スクリブルまでを描くそうです。 反対に言うと円スクリブルを超えるのが人間らしさということ。 そこが大きなステップのようです。
でも具象物が描けるようになって来ても、スクリブルは続きます。 画法としてスクリブルを取り入れていると感じられるのがこちら。
3歳10ヶ月「おはなばたけ」
[作品紹介→art189]
しっかりした筆圧、色を並べるというのも、
画材をつかいこなせるようになった成長のあかしです。
歳10ヶ月「ばら」
もうかなり道具を使い慣れて、「ばら」という具象物を意図的に描いています。
[作品紹介→art190]
スクリブルも成長するのですね。
単にぐちゃぐちゃにしか見えない時も多いのですが、 それも大切な練習です。 スクリブルをしっかりさせたこどもは、文字書きを習得するのも早いと言われています。