こどもの絵の世界

4「頭足人」

多くの場合、「かお」に続いて見られる「頭足人」(とうそくじん)。 「かお」=頭から直接手足の出た人物画です。 「世界中のこどもが描く」などと言われますが、 「世界中の全員が描く」という意味ではありません。 お国柄に関係なく、絵を描き始めたこどもの多くが、 という意味で、まったく描かないこどももいます。 長い期間描く子もいますが、短期間しか描かない子もいます。

3歳2ヶ月の作品。

どちらも同日続けて描いた「サンタクロース」。 左側絵の丸の中にバツがはいっているのがヒトで、まわりが袋と思われます。 右側の絵はそのあとに描いたもので、 よく見ると、なんといきなり口を開いたような顔が現れ、 さらに手足のある頭足人に進化しているのです。わかるでしょうか?

欧米では「head feet symbol」のほか、 「tadpole=オタマジャクシ」とも言うそうです。 頭から足だけが生え、そのうち手も生えたり、 手足が同時に出てきたり、現れ方もさまざまです。

3歳2ヶ月

宇宙人のような手足の長い「頭足人」。
[作品紹介→art002]

3歳5ヶ月

大きな頭から短い手足の出た「頭足人」。
[作品紹介→art008]

4歳1ヶ月

まさに頭と足のみの「頭足人」。
[作品紹介→art067]

3歳9ヶ月

まるい輪郭の頭部ではなく、顔と髪を描いた頭部に手足のついた、 お絵描きの大好きな女の子らしい、ちょっとおませな作風の「頭足人」。
[作品紹介→art010]

一説には、四つ足をだったころの記憶を本能的に描いているという説もあります。 たしかに四つ足動物を正面から描くとこうなります。

こどもの絵デザイン舎にも、この時期の作品のご依頼をよくいただきます。 この貴重な存在を知ると、こどもの絵を見るのがいっそう楽しくなります。